アデノウイルスによる感染症は、さまざまな症状を引き起こします。
アデノウイルスには多くの型があるため、どの型のウイルスに感染するかで症状が異なります。
また、多くの型があるために、一度かかっても繰り返し感染します。
- 1、呼吸器感染症:3、7型
- 2、咽頭結膜熱:おもに3型
- 3、流行性角結膜炎(はやりめ):8型など
- 4、胃腸炎:31型など
- 5、出血性膀胱炎:おもに11型
咽頭結膜熱について
子どもの感染症で有名な咽頭結膜熱(プール熱)は、手足口病やヘルパンギーナとならんで、子どもの三大夏風邪と呼ばれています。
夏場にプールの水を介して感染が流行するので、「プール熱」という名前が知られていますが、このように感染力が大変強いことが特徴です。
どんな症状ですか?
症状としては以下のようなものがみられます。
- 39℃前後の高い熱が出て、長く続く(4~5日くらい続くこともあります)
- のどが痛み、食事がとりにくい(咽頭炎)
- 眼が充血する、涙が出る、まぶしがる(結膜炎)
- 下痢がでることもある
原因は何ですか?
病気の原因は、アデノウイルス(おもに3型)に感染することです。
このウイルスは、感染している人が触ったものに触れることによる接触感染、また咳やくしゃみなどによる飛沫感染により広がります。
下痢の始末をする時に手についたウイルスが食べ物を介して口に入る、経口感染で感染することもあります。
治療はどうしますか?
アデノウイルスに対する特効薬はありません。
高熱が続いてつらい場合、喉の痛みが強い場合などに症状を和らげてあげるお薬を処方します。
おうちでできること
咽頭結膜熱になると、症状が長引きますので、お薬で症状を和らげるのに加えて、おうちでもお子さんの症状を楽にする工夫をしてあげるとよいでしょう。
のどの痛みがあるので、すっぱいものやオレンジジュースなどは与えずに、刺激の少ないのどごしの良い飲み物を飲ませてあげたり、食べるものもあまりかまずにすむ、のどごしのよいゼリーやプリン、豆腐などをあげましょう。
また、食事や水分をとりにくくなると、脱水症を起こしやすくなります。
ごはんが食べられなくても水分(できれば経口補水液)は積極的にのませてあげて、おしっこがいつも通り出ているかどうか確認してあげてください。
おしっこがいつもの半分以下になる、熱が5日を超えても下がらない、咳がひどくなって息が苦しそうなど心配な症状があれば、受診してください。
予防
咽頭結膜熱(プール熱)は感染しないようにすることが大切ですが、とても感染力が強いウイルスのため、普段から手洗いやうがいを徹底しましょう。
もしお子さんが感染した場合、タオルや食器を共有しないことも大切です。
登園はいつからできますか?
咽頭結膜熱は、感染力が強いため、出席の基準が定められています。
「発熱やのどの痛み、咳などの主症状が治ってから2日を経過するまで」はお休みです。
登園する時には登園許可証が必要になります。