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子どもの発熱、対処法

子どもに熱がある?

もともと子どもは熱を出しやすいものです。

お昼寝から起きたとき、外から帰ってきたときなどちょっと体が熱くなります。

なんだか暑がって熱っぽい?と思ったら、まずはあわてずにからだ全体の様子を観察しましょう。

入浴直後や、ごはんの後、泣いたり運動したりした後は体温が高めですので、落ち着いて静かにしているときに熱を測るようにしましょう。

実際の熱の測り方

  • ①わきの下の汗をしっかりふいて、なるべくかわいた状態で、
  • ②体温計をわきの下にしっかり挟んで、
  • ③わきを閉じて測ります。

予測式の電子体温計なら数十秒でブザーがなりますが、これはあくまで予想体温なので、正確に測りたいときは、できればそのまま10分間計測を続けてください(実測値)。

子どもの基礎体温は大人より高めなので、37.5℃以下の体温は「微熱」ではなく「平熱」と考えます。

では、37.5℃以上あるときはどうしたらよいでしょうか。

しばらく様子を見ても良い場合

  • 飲み物を飲んだり食事はできる
  • 夜しっかり眠れている
  • あやすと笑う
  • 遊んでいる
  • 機嫌が悪くない
  • 熱以外に症状はない
  • 顔色が悪くない

上記のような場合には、すぐに受診せず少し様子をみましょう。

その上で、診察時間内に小児科を受診してください。

早めに救急外来への受診が勧められる場合

  • 生後3カ月未満の赤ちゃんで、38℃以上の発熱
  • 水を飲まない、おしっこがいつもの半分以下、泣いても涙が出ないなど脱水症状がある
  • おう吐や下痢を繰り返している
  • けいれんを起こす
  • 顔色が悪い
  • 眠ってしまい、起きない(起こしてもすぐ寝てしまう)
  • 遊ばずごろごろしている
  • 夜眠れず機嫌が悪い
  • 呼吸の様子がおかしい、不規則

子どもが上記のような状態の場合には、早めに小児救急ダイヤルに連絡をとる、救急外来を受診するなどのアクションを起こしてください。

自宅でできる発熱時のケア

熱が出たときの対処法

まずは体温を測り、からだ全体の観察をしてください。

熱の状態と、熱以外に何か症状は無いかよく確認しましょう。(おう吐、食欲の有無、呼びかけて反応するか、眠れるか等)

熱が上がっているときは、体の中心の温度を上げるために、手足は冷たくなり寒さを感じることがあります。

この段階では寒そうなら温めてあげてください。

その後、熱が上がりきってしまうと、手足も暑くなり、暑がるようになります。

そうしたら、薄着にして涼しくしてあげてください。

熱が上がると水分が出て行きやすく、また食欲も落ちて水分が不足しがちになるので、水分補給は意識して十分にさせてください。

汗が多い場合にはぬるま湯で絞ったタオルで身体を拭いてあげましょう。

また、首や脇の下、足の付け根など太い血管が走っているところを冷やしてあげると、それだけで体温を下げる効果があります。

注意点

熱が出ているときは、いつもの食事でも消化に負担がかかることがあります。

そのため、基本的に消化に良いものを与えてください。

また、熱はウイルスなど病原体とたたかうのに有利に働くので、あわてて下げる必要はありませんが、熱のせいであまりにも機嫌が悪い、食事を取れない、眠れないなどのときは、かえって病気とたたかう体力を落としてしまうので、こんなときは解熱剤を使ってあげてください。

発熱に関するよくある質問Q&A

高熱は何か重い病気のサインですか?

熱が高いからといって重い病気であることはありません。

熱が高くて子どもがつらそうでも、他に症状がない場合には大きな病気ではないということがほとんどです。

また発熱していても、元気がある、食欲がある場合にはしばらく様子をみても大丈夫です。

寝るときに高熱を出していても、朝起きると熱がさがっているということもあります。

高熱が続くと脳に良くないのではないでしょうか?

高熱が原因で脳の機能に障害が出る事はありません。

幼児の場合では、39℃を超える熱が出る事は珍しくなく、それだけで知能などに障害が出る事はありません。

熱が出たら早く原因を特定するほうがいいでしょうか?

発熱の原因は様々であり、熱が出始めたときにはまだその原因を特定することは難しいです。

熱だけではなくその他の症状も出そろってから、総合的に判断することができます。

すぐにこれが原因だろうと判断してしまうのも、かえって危険なこともありますので、緊急の場合でなければ、1~2日は経過をみてみましょう。

熱はすぐ下げたほうが良いでしょうか?

すぐに熱を下げることは必ずしも良いとは限りません。

というのも、発熱は、その原因となっているウイルスなどとたたかうために、免疫の力として起きている場合が多いのです。

ウイルスなどを倒すための高熱を無理に下げてしまうと、かえって防御機能を妨げてしまうというのがその理由です。

解熱剤はいつ使えばいいでしょうか?

ウイルスなどとたたかってくれる熱ですが、そのためにあまりにも機嫌が悪い、食事を取れない、眠れないなどのときは、かえって病気とたたかう体力を落としてしまうので、こんなときは解熱剤を使ってあげてください。

具体的には、熱が38.5℃以上あり食欲もなく眠れない、機嫌が悪いようなときに使いましょう。

6時間以上の間隔を開けて1日に3回までを目安に使用してください。

解熱剤はあくまで一時的に熱を下げるだけです。

その間、少し楽になって食事を取ったり、安静にして睡眠をとったりすることで体力を回復させるためものもので、病気をなかったことにするわけではありません。

そのため、解熱剤の力が切れればまた熱が上がってきます。

病気の治療薬は症状に応じて必要なので、他に心配な症状がある場合は、熱が落ち着いたからといって油断せずに受診しましょう。

解熱剤を使用しても熱が下がりません

そうした場合は、解熱剤の効果を発熱の力が上回っている場合です。

熱は2~3日続くことが多いので、安静にして過ごしましょう。

4~5日間も高熱が続くときは、また受診することもお勧めです。

熱があるときには入浴はしない方がいいですか?

入浴は体力を消耗しますので、その分病気とたたかう力をもっていかれてしまいます。

しかし、汗をかいたり、おむつの中が汚れたりしたままでいるせいで、肌荒れを起こす子もいます。

そのため、高熱でぐったりしているときは体をタオルなどできれいに拭いてあげる程度にし、熱はあっても元気な場合は、短時間のシャワーで汗や汚れを流してあげてください。

熱が下がったといえるのはどんなときですか?

人間の体温は、朝に低めで、午後から夜にかけて上がっていくことが多いです。

前の晩に熱があっても、朝になったら下がって治ったと思うかもしれませんが、午後にかけて上がってくることもよくあります。

熱が下がったといえるのは、ふつう丸1日熱がない状態が続いたときです。

いつから保育園、幼稚園、学校に行っていいですか?

まず、きちんと熱が下がってから、つまり37.5℃を下回った状態が丸1日以上続いてからにしてください。

そして、咳など他の症状があまりつらくない状態に回復し、最後に食欲がきちんと回復して、いつもどおり食べられるようになっているかを確認してください。

食欲が戻らず、元気がいつもどおり回復していない状態で、お友達と一緒に行動するのは子どもにとってもつらいものです。

子どもの場合、体調が素直に食欲に反映されることが多いです。

つまり、食欲を注意してみることで、子どもの体調がわかるようになっていきます。

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