かゆい発疹が全身に次々にでてくる病気です。
どんな症状ですか?
発熱
37℃~38℃くらいの発熱がみられることがあります。
重度の高熱になることはあまりありませんが、長引くこともあります。
発疹
発熱と同時に全身に赤い発疹が出てきます。
初めはちいさなプツプツが顔や背中やお腹に出てきますが、その後全身に増えていきます。
頭皮の中、髪の毛の生え際にも発疹が見られます。
水ぶくれ(水疱)
発疹は1日くらいで、水ぶくれへと変化していきます。
全身に広がっており、またとてもかゆくてお子さんにとってつらい状態です。
このかゆい状態が3~4日続き、かさぶたになっていきます。
かさぶた(痂皮)
かさぶたになれば、水ぼうそうの治りが近くなっている証拠です。
かさぶたは自然にはがれていき、3週間ほどですべてはがれ、消えていきます。
一般的に、子どもは軽い症状で済みますが、免疫が低下している人が重症化してしまうこともあります。
また、子どもと比べ、大人がかかると症状が重くなります。
原因はなんですか?
水ぼうそうは「水痘・帯状疱疹ウイルス」というウイルスによって引き起こされます。
初めてこのウイルスにかかった時に水ぼうそうの症状を起こします。
このウイルスは感染力が非常に強く、空気中にただようウイルスによる空気感染や、咳やくしゃみなどによる飛沫感染、手についたウイルスが移ってしまう接触感染により感染します。
ウイルスに感染してから症状が出るまでには、2週間くらいかかります。
治療はどうしますか?
水ぼうそうに対しては、インフルエンザと同じように、ウイルスが増えるのをおさえこむ薬(抗ウイルス薬)があります。
また、かゆみを抑えるための薬、熱を下げる薬などを使用します。
熱を下げる薬(解熱剤)については、薬の種類により合併症を起こすことがあるので、病院を受診して適切な薬を処方してもらいましょう。
水ぼうそうの発疹はかゆいのが特徴ですが、かきこわしてしまうと二次感染を起こしたり、跡が残ったりすることがありますので、かゆみを抑える薬も使いながら、少しでも症状を楽にしてあげてください。
一度水ぼうそうにかかると、その後同じ症状が出ることはありません(終生免疫)。
ただし、ウイルスは症状が治ってもずっと体に潜んでいて、免疫が落ちた時などに「帯状疱疹」という病気になって出てくることがあります。
予防はどうしますか?
水ぼうそうにはワクチンがあります。
ワクチンを接種すると、感染しないか、または感染しても軽い症状で済みますので、1歳から3歳未満の定期接種の対象となっているお子さんは忘れずに接種しましょう。
任意接種をすることもできます。
いつから登園登校できますか?
発疹、水ぶくれがすべてかさぶたになったら登園、登校することができます。
水ぼうそうはとても感染力の強い病気です。
水ぼうそうかもしれないと思って受診するときは、病院にあらかじめそう伝えておくと、とても親切ですね。
参考:水ぼうそうと帯状疱疹
水ぼうそうは、「水痘・帯状疱疹ウイルス」に初めてかかったときの症状で、子どもに多く、全身にかゆみを伴う発疹、水ぶくれができる病気です。
一方、帯状疱疹は、同じウイルスが原因ですが、「体の左右どちらか一方」に「ピリピリするような痛み、かゆみをともなう発疹、水ぶくれ」が「帯状に」できる病気です。
一本の神経の走行にそって症状が出るため、このような特徴が見られます。
帯状疱疹は、水ぼうそうにかかった後に神経の根っこに潜んでいたウイルスが、あとで疲れや病気、年齢を重ねるなどして免疫が下がった時に活発になって症状が出てくるものです。
帯状疱疹は大人に多いですが、子どもでも時々見られます。
感染経路について
水ぼうそうが空気感染、飛沫感染、接触感染でうつるのに対して、帯状疱疹は基本的には接触感染で、発疹に直接触れることで感染します。
ただし、帯状疱疹から帯状疱疹がうつるのではなく、まだ水ぼうそうにかかったことのない人に、水ぼうそうとしてうつります。
ワクチンをしている人も、効果がうすれていると軽く水ぼうそうになることがあります。
一方、水ぼうそうにかかったことのある人にはうつりません。
そのため、帯状疱疹の症状のある人は、水ぼうそうになったことのない小さな子どもと接触しないように気をつけてください。
全ての発疹がかさぶたになれば感染しなくなります。
潜伏期間は約2週間です。
帯状疱疹の治療
治療は水ぼうそうと同じく、ウイルスをおさえこむ薬(抗ウイルス薬)の内服が中心です。
治療が遅れると、治った後に帯状疱疹後神経痛として痛みが残ることがありますので、帯状疱疹かもしれないと思ったら早めに受診してください。
予防はワクチン接種です。
帯状疱疹の予防の目的で、50歳以上の方が任意で接種することもできます。